愛知県瀬戸市といえば言わずと知れた瀬戸物の里、陶芸の町です。そこを拠点に活躍されているお二人の陶芸作家の作品を置かせて頂いております。渡邊亜紗子さんと小野穣（ゆたか）さんでして、お二人とも一昨年のナゴヤドームのイベントにそれぞれ出品されているところを、作品を拝見して感激し、無理を承知で直接お願いさせて頂いた次第です。お二方とも小売店に常設で展示販売の例は無いそうで、今考えるといい歳をしてずいぶん無茶なお願いをしたんだなあと、申し訳なくも思うところであります・・・

自分も長く愛知県で暮らした関係で、常滑や瀬戸は何度も訪れておりますが、お二人の作風は現地のそれとは確実に一線を画したもので、しかも「個性」の一言でかたずけられない、深い所からの独自性やアイデア、挑戦する姿勢を感じるものです！もっとも当方、決して陶芸に造詣が深いわけでもなんでもありませんが、それでも彼らの作品から感じる強烈なオーラは、普遍的に理解されて然るべき！と言い切ってしまいましょう！

などと大上段に構えなくても、お二人とも（お互いの面識は無いそうですが）、人となりは何ともあたりが柔らかく、おおらかでお優しい印象です。作品への真摯な取り組みとのギャップのようなものが、また魅力的ともいえますね。

で、長くなりましたが今回はまず、渡邊さんの作品からご紹介させて頂きます。素人の付け焼刃的で恐縮ですが・・・

冒頭の画像は「香炉」と「ベル」です。前列の香炉は、「ロボット」というタイトルがついております。機械というよりは、古のオーパーツ的な神秘性を感じさせるユニークなデザインですが、何よりも細工や合わせが非常に精緻です。この独特な造形感覚と繊細な細工、時にガラスのような美しい彩色が、渡邊さんの作品のキモといえると思います。後列のベルは「王女」と名付けられています。渡邊さんは器以外に動物や人間の顔を主なモチーフとした陶器のオブジェをたくさん作られておりますが、これはその流れを汲んだ作品です。それぞれ個性的なきれいな音がします。

２枚目は「華だるま」という蓋ものの作品です。磁器のような白い肌と、蓋のざらっとした茶の質感のコントラストに、文様のガラスのような透明感のある彩色が美しい逸品です！本当に細かい仕事をなさる方ですが、この作品は文様のデザインについてもただならぬ力量が感じられます。とっておきの梅干しなどを入れて食器として使うもよし、小物入れにも良いかもしれません。いずれにしても、生活に「華」が添えられること間違いなしです！　

まだまだたくさんあるのですが、続きはまたの機会とさせて頂きます。拙い説明でも、渡邊さんの作品の素晴らしさが少しは感じて頂けたでしょうか？可能でしたらぜひお越し頂き、作品に触れて頂きたいと拙に願います！素敵な作家さんの作品と出会えるキオクハウスに、ぜひ遊びに来てくださいね！